いただきますって広東語と英語でどうやって言うの?
外国に行くと何て言って食べ始めたらいいのか迷いますよね。
日本人は「いただきます」と言って食べ始めるけど
英語にははっきり言ってそういう表現や習慣はないですよね。
キリスト教の家庭だったら食事の前の祈りがあるけど
「いただきます」とはちょっと違いますよね。
「ごちそうさま」になると完全に英語にも広東語にもないですよね。
でも広東語には「いただきます」に似た表現はあります。
広東語では食べ始める前に
「みんな、食べましょう。」
というようなことを言います。
「タイガー、セッファーン(大家、食飯)。」
または「セッファーン(食飯)。」だけでもいいです。
直訳は「みなさん、食べる。」ということです。
「みんな、食べよ!」「みんな、食べて!」みたいな意味ですね。
それで、もっと礼儀正しくなると
子供などが目上の人に相手の名前をつけていいます。
「おじいちゃん、セッファーン。」
「おばあちゃん、セッファーン。」
「お父さん、セッファーン。」
「お母さん、セッファーン。」
「おじさん、セッファーン。」
「おばさん、セッファーン。」
というふうに言います。
「お父さん、食べて下さい。」
「おばあちゃん、どうぞ。」というような意味で
とても礼儀正しい思いやりのある言葉なんです。
でも人数が多いと全員に言うのに時間がかかるから
みんながほぼ同時に「タイガー、セッファーン。」
と言い合って食べ始めることが多いです。
香港人と食事をすると「食べなさい!」ってよく言われない?
中華レストランで真ん中から料理を取る食べ方のときや
家庭料理をごちそうになるときなどに、箸が止まっていると
「セッラー(食啦)!」って言われますよね。
「食べなさい!」とか「食べて!」と言われると
なんか怒られてるみたいで最初はびっくりしました。
とくにお母さんとかおばさんがよく言いますよね。
でも、あれを子供が
「おばあちゃん、セッラー。」とか言うと
「もっと食べてね。」というやさしい気遣いの言葉になるんです。
箸が止まっているのを知っているということで
その人のことを見てる、気遣ってるっていうことになるのでね。
だから「セッラー(食べて)!」の言葉も
言うのが礼儀っていうところから出発してるから
怒られてるんじゃなくて気遣いなんですね。
あなたのことを見てるよ、気遣ってるよってことなんですね。
言われた人も
「ありがとう、でも気を遣ってもらわなくて大丈夫ですよ。」
という気持ちで聞いてるしね。
それに「もうおなかいっぱいです。」とか
「もう充分です。あなたはもっと食べてね。」
とか言えばそれで終わるしね。
そうすると相手も「あ、もうおなかいっぱいだから
食べてとすすめなくていい。」と安心するわけです。
この言葉に含まれている思いやりや気遣いの心がわからないと
うるさいな~なんてことになっちゃうわけですね。
ところで、中華料理のときは
おかずを取ってあげるのも気遣いや思いやりになります。
それも子供がおじいちゃんやおばあちゃんに
取ってあげたりします。
目下の者が目上の人に取ってあげるのが礼儀なんです。
そのあたりも知らないと孫がおばあちゃんの横に座ってるのに
全然取ってあげないってことになっちゃうしね。
私も知らなかったから子供には教えました。
お客さんに取ってあげたりするときは
年齢に関係なく、もてなすほうが取りますけどね。
ところで、鶏肉の手羽元の部分ってありますよね。
よくトムとジェリーで美味しそうに出て来るやつ。
(そんなに大きくなくてドラムスティックみたいなのです。)
あれはいいところだから
自分に取っちゃいけないんですって。
私は以前知らなかったから
お皿の端っこにあったから取ったら
主人に「それは人に取ってあげるもの。
自分には取らないよ。」と言われました。
ああ、そうなんだ~。
知らなかったわ。
鶏が1羽出てきてもその部分はあんまりないからね。
そういうことで、食事のマナーもいろいろですね。
最後にもうひとつ!
先に食べ終わって席を立つときは
「マンマーンセッ(慢慢食)。」
と言います。
「ゆっくり食べて下さい。」という意味で
「ごゆっくりどうぞ。」ってことですね。
これは日本語でも理解できるコンセプトですよね。
でも、この言葉をあるとき姑が
イギリス人に広東語で言ったんですけど
通訳してた娘が “Enjoy!” と言っていました。
英語で “Eat slowly.” って言ったらおかしいもんね。
「ゆっくり食べなさい。」になっちゃって
なんか食べるのが早過ぎるからもっとゆっくり食べなさいって
言ってるみたいになっちゃいますよね。
”Take your time.” と言ってもやっぱり
「急ぐ必要はないからね」というニュアンスになっちゃうしね。
この「ごゆっくりどうぞ」とか「ごゆるりと」という表現は
日本語と広東語にあっても英語にはないですね。
少なくとも直訳ではないですね。
娘も「英語でマンマーンセッはないからEnjoyって言っておいたよ。」
と言っていました。
おもしろいですね。
いろんな文化がわかるようになりたいな~
ま、平たく言えば・・・
いろんな言葉のノリがわかるようになりたいな~~
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